マングローブとは?
マングローブとは熱帯、亜熱帯の河口など、潮の満ち干の影響を受ける場所、つまり潮間帯・汽水域に生育する植物の総称です。マングローブと呼ばれる種類の数は、研究者によって様々ですが、世界中で70種類以上とも言われます。
マングローブの面積
World Atlas of Mangroves(2010)によるとマングローブ林は世界123ヵ国/地域での分布が知られ、総面積は約152,000km2、世界の熱帯雨林の1%、世界の森林総面積のわずか0.4%の面積しかありません。世界の多くの国々でマングローブ林の保全や再生に取り組んでいますが、今日でも年間1%の割合で減少していると推定されています。
マングローブ林は生き物の命のゆりかご
汽水域に生育するマングローブは生物の多様性に富んだ、とてもユニークで豊かな生態系を作り出しています。
満潮時になるとマングローブ林は海水に満たされるので、その水中を覗いてみると、なんとも賑やかな光景が広がります。入り組んだ根の間には、たくさんの小魚が捕食者である大きな魚から隠れようと身 を寄せあいながら、小さな動物プランクトンなどを食べています。また、貝類・カニ・ヤドカリの仲間などが根にしがみ付き、マングローブの根や幹に生えている藻類などを食べている様子も見られます。
干潮になると、干潟では、砂の中の小さくなった木の葉や生物の死骸などのデトリタスと呼ばれる微細な有機物を食 べているミナミコメツキガニやハクセンシオマネキがいたり、マングローブの落ち葉を食べるアシハラガニモドキやキバウミニナがいたり、干潟を跳ね回るミナミトビハゼがいたり、そしてそれらを捕食するサギやシギなどの鳥類も集まってきます。
このような多様な食べるものと食べられのもののつながりである食物連鎖を支えているのは、マングローブの木からの落ち葉や、生物の死骸などが小さく分解されたデトリタスなのです。マングローブが生えていることで、豊かな生 態系が形成されるので「マングローブ林は海の命のゆりかご」とも言われます。
マングローブ生態系がもたらす豊かな恵みを試算すると?
マングローブ林の河川に棲む多くの魚やカニや鳥だけではなく、マングローブ林の広がる熱帯・亜熱帯の沿岸地域に住む人々もまた、マングローブ生態系がもたらす豊かな恵みを受けています。
マングローブの茂る河川や沿岸域で漁をしたり、マングローブの材で木炭を生産したり、その材を燃料や柱などの建築材と利用したり、材が舟材としても使われることもあります。ヒルギダマシの葉は家畜の飼料として、ホソバマヤプシキの果実はジュースに利用されてきましたが、最近ではホウガンヒルギ抽出物の抗菌作用、シマシラキの抽出物質の肺がん抑制の可能性なども注目されてきています。ヤエヤマヒルギやオヒルギの樹皮は染料に、ヒルギダマシの林では養蜂なども行われます。
それだけではありません。マングローブ林の河川を利用しての観光船やカヌーツアーを使ってのレクリエーションエコツーリズムや環境教育の場も提供しています。また、マングローブ林があることによって、高波などから沿岸にある家々や農地も守られています。それらマングローブ生態系が私たちにもたらす恵みを経済的な価値を金額に換算した場合、1ヘクタール2,000-9,000ドルとも試算されています(Wells et al. 2006)。
マングローブ林を守ることは、マングローブとともに生きている多くの生物の多様性を守るだけでなく、沿岸に住む人々の 暮らしを守ることにも繋がっています。
ブルーカーボンとマングローブ
地球温暖化が深刻さを増す昨今、気候変動に関わる話の中で「Blue Carbon(ブルーカーボン)」という言葉をしばしば耳にするようになりました。 このブルーカーボンとは、一体何のことでしょうか?
2009年に、UNEP(United Nations Environment Programme:国連環境計画)が、「Blue Carbon: The Role of Healthy Oceans in Binding Carbon」と題した報告書を発表し、これまで見過ごされてきた海洋生物によるCO 2 吸収の役割の重要性を提唱しました。陸上の生物が貯留するカーボンは「Green Carbon(グリーンカーボン)」と呼ばれますが、この報告書の中では、陸域と海域を分け、海域で貯留されたカーボンを「Blue Carbon(ブルーカーボン)」と新しく名付けたのです。そして、海域のブルーカーボンには、海水の影響を受けているマングローブ、塩性湿地(salt marshes)、アマモなどの海草(seagrasses)、などによって貯留されたカーボンを含むとしたのです。
しかも、この報告書では「全球でのブルーカーボン量は、グリーンカーボンが貯留するカーボンの55%以上」とし、「特にマングローブ、塩性湿地、海草は、海底面積の0.5%に満たないにも関わらず、海洋堆積物中のこれら植生由来の炭素貯蔵量は、おそらく70%近くを占めている」と試算しました。つまり、これまで炭素の貯留源として見過ごされがちであった海域、特に太陽の光の届く浅海域での生物によるブルーカーボンの炭素貯留量が重要であることを指摘したので、ブルーカーボンが大きく注目されることになったのです。
マングローブ林の炭素貯留量は多い!
ブルーカーボンの中の一つ、マングローブ林の炭素貯留量の多さは、地下部に秘密があります。潮間帯に生育するマングローブ林の土壌は、1日に1~2回の潮の満ち干により、一定の時間は海水や汽水にさらされています。土壌の中の有機物(つまり落葉や枯れた根など)の分解には酸素が必要ですが、海水や汽水で満たされているマングローブ林の土壌には、酸素が十分に行き届かない嫌気状態なのです(酸素がない状態を嫌気状態と言います)。そのため、土壌の有機物が分解されにくいのに、次から次へと供給される有機物が、土壌の上に厚く堆積します。
マングローブの生きた根だけでなく、死んだ根や落葉・落枝などに由来する未分解の有機物を含めて、マングローブ林の地下部に貯留されている有機物を測定すると、マングローブの土壌にはたくさんの有機物が蓄積されています。なお、有機物とは、CO2(二酸化炭素)やCaCO3(炭酸カルシウム)のような炭素化合物を除いた、炭素化合物の総称です。地上部の炭素量については樹種によって多少違いがありますが、幹をからからに乾燥させた重さ(絶乾重とか絶乾量と呼ばれる)の45~50%が炭素量とされます。
Donatoら(2011年)によると、太平洋地域のマングローブ林の地中炭素蓄積量は亜寒帯林、温帯林、熱帯高地林のそれらの3倍から4倍以上にも達すると報告されています。
一方で、土地開発などにより、マングローブ林の土壌が掘削されたり、排水されたりすると、土壌が空気にさらされ、酸素が供給されることになるので、土壌中の有機物の分解が進みます。つまり、それまでに長い時間をかけて蓄積されていた有機物が急速に分解されることになるので、大量のCO2が大気中に放出されることになります。
地球温暖化が深刻さを増す今、温室効果ガスの一つであるCO2の大量放出は避けなければいけないので、マングローブ林は破壊されてはいけないのです。
マングローブ林の防災機能も重要
2004年12月のスマトラ島沖地震によって発生したインド洋大津波では、インド洋沿岸の多くの国で23万人以上が亡くなられ、2009年のサモア沖地震津波でも数万人が被災されたと報告されています。マングローブ林によって人々の命や家、農地が守られたという各地の報告により、インド洋大津波後はマングローブの防災林としての役割が再認識されるようになりました。
国際マングローブ生態系協会では、2009年に発生したサモア沖地震津波の後、マングローブ林の津波による影響について現地に調査隊を派遣しました。そのデータをもとに、シミュレーションしたところ、津波の高さを10%減少し、その水圧を30%減衰させるという結果が出ました(Yanagisawa et al. 2021)。つまり、マングローブには津波や高波を減衰させる機能があるのです。
グリーンインフラとは
コンクリート構造物での道路・港湾・堤防などの社会基盤の整備のことをグレーインフラストラクチャア(略してグレーインフラ)と呼ぶのに対して、最近では、樹木だけではなく自然生態系を利用した社会基盤の整備のことをグリーンインフラと呼ぶようになりました。さらに、グリーンインフラを防災や減災に適用すること、言い換えると「生態系を活用した防災・減災(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction)」、略してEco-DRRという言葉も飛び交うようになりました。
これまでは、自然を主にグレーインフラでコントロールしようと試みてきたのですが、50年に一度などの大雨での土砂崩れや河川堤防の決壊を目の当たりにし、グレーインフラだけでは自然災害を防ぐことは難しいので、自然環境が持つ多様な機能を利用した防災・減災の必要性を再認識することになったのではないでしょうか。
2004年12月のスマトラ沖地震津波の時、津波に襲われたインドネシア・スマトラ島のマングローブ林では、マングローブにしがみついて助かった方が少なくないとも言われています。そんなこともあったのでEco-DRR、生態系をインフラ整備や防災に積極的に利用しようとする動きの代表的な例の一つとして、津波被災地域の沿岸でマングローブ植林が推し進められました。沿岸域のマングローブ林の保全・再生は、防災的な視点から捉えると、沿岸地域に住む人々の命を守ることにもつながるのです。
マングローブ林の消失理由
マングローブ林は過剰な伐採や開発により急激に面積を減らしつつあり、その面積の約1%が毎年失われていると報告されています。これは世界の森林消失の3倍から5倍の早さです。マングローブ林がなくなると、森林資源や水産資源に依存している沿岸地域の人々の生活に大きな打撃を与え、野生動物の生息場所や餌場が失われるだけではなく、大量のCO2が大気中に放出されることになります。
ここ数十年間のマングローブ林の消失は住宅用地、工業用 地、水産養殖池、農地やオイルパーム(アブラヤシ)農園への転換など経済活動によるものが主な原因で、日本が海外から輸入している一部の冷凍エビ、パームオイル(ヤシ油)もマングローブ林の減少の一因です。近年では地球温暖化による海面上昇の影響によって、マングローブ林は、これまでにはなかった新たな脅威にさらされています。
クレジットの取引方法
1997年に京都で開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)では、京都議定書(京都プロトコール)が採択され、先進国における温室効果ガスの削減目標が掲げられました。この目標達成を支援するための一つの取り組みがクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism: CDM)です。CDMは先進国が途上国において実施した温室効果ガスの排出削減プロジェクトから生じた削減分(クレジット)を、先進国の削減量として認める制度です。なお、温室効果ガスの排出削減プロジェクトから生じた削減分を取引するためには、国連機関が定めた方法論でプロジェクトが実施され、国連機関か認証した第三者機関の検証・審査を受けなければいけません。
今では、国連機関が認めた国際的な制度取引が可能であるCDMだけでなく、プロジェクトを実施した先進国とそれを実施した途上国の二国間でクレジットを分け合う二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM )や、国内だけでの取引が可能な認証制度(Voluntary Emission Reductions or Verifi ed Emission Reduction: VERで、日本国内のものはJ-VERと呼ばれます)や、米国の民間認証機関が認証するVerified Carbon Standard(VCS)などの制度が創設され、様々な種類のクレジットが発行され、取引が行われるようになってきています。
2015年に行われたCOP21ではパリ協定が採択され、新たな温室効果ガスの排出削減目標が定められただけではなく、日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、その後、2021年4月 22日に米国が主催する気候サミットで菅首相が「日本の2030年度の温室効果ガス削減目標を、2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく」と宣言したことから、その目標を達成するため、より一層、クレジット売買は活発になっていくのではないでしょうか。
マングローブ林はクレジット取引の対象となるのか
近年は、地球温暖化抑制を考える時、地域社会や環境保全への貢献も合わせて考えなければいけないことに多くの人 たちが気づきはじめ、再生可能なエネルギーの活用拡大はもちろんのことですが、森林の保全・再生によるCO2排出削減プロジェクトが見直されつつあります。森林の保全・再生の中でも、ブルーカーボンの重要さが認識されはじめたことから、マングローブ林の保全・再生プロジェクトを試行あるいは実施する企業が出始めています。
-米国Apple社はマングローブ林保全でクレジット取得のプロジェクトを始めました-
マングローブ林でのクレジット取得の代表的な例が米国Apple社です。同社は、2021年からコロンビアのマングローブ林保全活動(後述のREDDプロジェト)でのVCSクレジット取得のプロジェクトをはじめました。
マングローブ林などの森林の保全・再生プロジェクトは大きく二つに分かれます
マングローブ林などの森林を活用してのクレジット取得方法を大きく二つに分けると、保全によるクレジットの取得と、再生や新規植林によるクレジットの取得の違いです。
① 森林の保全によるクレジットの取得
REDD(Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation in Developing Countries)すなわち「森林減少や劣化を防ぐことによって温室効果ガス排出量の削減すること」で、クレジットを得ることです。すなわち、現存している森林伐採せずに、守り育てることによって、二酸化炭素の排出量を削減する試みです。森林を伐採したり、燃やしたりしてしまったら二酸化炭素が出るので、伐採せずに守ることで二酸化炭素排出量が削減できるし、守った森林では樹木が光合成することで大気中から二酸化炭素を取り込むので、大気中の二酸化炭素が削減できることになります。米国Apple社が、コロンビアのマングローブ林の保全でクレジットを得ようとしているのは、このREDDプロジェトです。
② 森林の再生や新規植林でのクレジットの取得
インドネシアやタイなどマングローブ林のある国々では、多くのマングローブ林が伐採されて養殖池などになってしまいました。その養殖池跡地などに植林をするのがマングローブ林の再生植林です(再植林や再造林と呼ばれることもあり、英語ではreforestation)。再生植林ではなくて、大きな河の河口では、上流で大きなダムの建設や道路工事などが行
われたりすると、その土砂が流れ出て河口に大きな干潟ができることがあります。その新しくできた干潟などへの植林が新規植林(afforestation)です。Afforestation (新規植林)とReforestation(再植林、再造林)の頭文字を取りA/Rプロジェクトと呼ばれたりしますが、森林が失われた養殖池跡地や、新しい干潟などへの新規の植林をすることによって、二酸化炭素吸収量のクレジットを得ることができます。
ISMEがこれまで行ってきた主なマングローブ植林プロジェクト
急速なビジネスのデジタル化に伴い、現代は新しい言葉や新しい概念が溢れていますが、マングローブ生態系の保全・再生の重要性は30年以上前から世界中の研究者や環境NPO/NGOなどからずっと唱えられ続け、1990年に国際マングローブ生態系協会(ISME)が設立されたのも、急速に世界のマングローブ林、マングローブ生態系が失われることに危機感をもったからです。ISMEは設立以来、これまで世界各地の多くの方々と協力して、多くのプロジェクトを実施してきましたし、私たちの活動が引き金になって、多くの国にNGO/NPOが設立され、マングローブ林の保全・再生活動が行われてきたのです。
「保全・再生」って「言うは易く、行うは難し」で、人々の経済活動優先によるマングローブ林やその生態系の荒廃や消失に歯止めがかからないのが現状です。
地球規模での気候変動の緩和のために、生物多様性の保全のために、沿岸生態系に住む人々の持続可能な暮らしのために、これまで以上に、世界の多くの人たちと一緒に、マングローブ保全・再生のための地道な活動が求められています。
Act now before it is too late. 手遅れになる前、今、行動すべきなのです。
ISMEがこれまでに世界各地で実施してきた主なマングローブ植林を次の表に掲げましたが、植林を実施している国や地域の実情に合わせて、多くの関係者、関係機関とパートナーを組み、SDGsのいくつかの目標に沿ってマングローブ植林を実施しています。
実施年 | プロジェクトの名称 | 国名 | 事業資金提供先 |
---|---|---|---|
1994-1995 | パキスタンでのマングローブ生態系保護のための植林、苗畑整備 | パキスタン | 郵政省国際ボランティア貯金 |
1997 | パキスタン・ミヤニ潟におけるマングローブ植林協力 | パキスタン | 外務省経済協力局民間援助支援室 |
1997 | 西アフリカにおけるマングローブ生態系回復のための植林事業 | セネガル | ㈶国際緑化推進センター |
1999 | アラブ首長国連邦アブダビ首長国におけるマングローブ植林計画の事前現地調査 | UAE | ジャパン石油開発㈱ |
2000 | アラブ首長国連邦アブダビ首長国における試験的マングローブ植林計画 | UAE | ジャパン石油開発㈱ |
2000 | モルディブ共和国の海岸線保全のためのマングローブ植林 | モルディブ | 環境事業団 |
2001 | アラブ首長国連邦アブダビ首長国におけるマングローブ植林計画 | UAE | ジャパン石油開発㈱ |
2001 | アラブ首長国海岸での新しいマングローブ植林方法の検討に係る調査 | UAE | ジャパン石油開発㈱ |
2001-2002 | モルディブ共和国の海岸線保全のためのマングローブ苗畑造成と植林 | モルディブ | ジャパン石油開発㈱ |
2004-継続中 | キリバス共和国におけるマングローブ植林協力 | キリバス | コスモ石油エコカード基金 |
2005-2007 | 草の根パートナー型事業“ブラジル国北部の沿岸の荒廃マングローブ生態系復元事業” | ブラジル | JICA |
2006-2008 | 島嶼国での住民の命と生活を守るための海岸防災林の造成 | モルディブ | 地球環境基金 |
2008 | 住民主導によるマングローブ生態系修復への協力 | ブラジル | 緑の募金 |
2009 | ブラジル連邦共和国パラ州ブラカンサ郡内における住民主導によるマングローブ生態系修復 | ブラジル | イオン環境財団 |
2009-継続中 | インド・グジャラート州におけるマングローブ植林事業 | インド | 東京海上日動火災保険㈱ |
2011-継続中 | マレーシア・サバ州におけるマングローブ植林事業 | マレーシア | 東京海上日動火災保険㈱ |
このページの引用文献
- Donato D, Kauffman J, Murdiyarso D, Kurnianto S, Stidham M, and Kanninen M (2011) Mangroves among the most carbon-rich forests in the tropics. Nature Geoscience 4:293–297.
- Nellemann C, Corcoran E, Duarte CM, Valdés L, De Young C, Fonseca L, Grimsditch G (eds) (2009) Blue carbon: The Role of Healthy Oceans in Binding Carbon. A rapid response assessment. United Nations Environment Programme (UNEP), GRID-Arendal, Norway, 78 pp.
- Spalding M, Kainuma M and Collins L (eds) (2010) World atlas of mangroves. A collaborative project of ITTO, ISME, FAO, UNESCO-MAB, UNEP-WCMC and UNU-INWEH. Earthscan, London, UK, 319 pp.
- Wells S, Ravilious C, Corcoran E (2006) In the front line: shoreline protection and other ecosystem services from mangroves and coral reefs. UNEP-WCMC, Cambridge, UK, 33 pp.
- Yanagisawa H, Miyagi T, Baba S (2021) Mitigation effects of mangrove forests on tsunami impacts in Upolu Island, Independent State of Samoa - Field surveys and numerical modeling of the 2009 event. Mangrove Science 12:3-10.